開発の裏話
テレビの「アレクサ」を、聞き流すための工夫とは?
呼びかけを聞き取るだけでなく、CMの音声を聞き流す技術もありました。2019年の開発者の説明と、2020年の研究を紹介します。

テレビのCMで、誰かが「アレクサ」と呼びかける。そのたびに全国のスピーカーが返事を始めたら、ちょっとした騒ぎになりそうです。
音声アシスタントには、よく聞き取る技術だけでなく、「これは自分へのお願いではない」と聞き流す工夫もあります。その舞台裏を、Amazonの開発者が2019年に説明しています。
声にも「指紋」のような特徴がある
Amazon Scienceの記事で紹介されたのは、録音された音の特徴を照合する「音響フィンガープリント」という方法です。CMで流れる音声の特徴を覚えておき、似た録音が聞こえたら、利用者からの依頼ではないと判断する仕組みです。同じころに複数の家庭から届く音を照合する方法も説明されています。
これは、声の持ち主の指紋を調べるという意味ではありません。同じ録音かどうかを、音の特徴から見分ける考え方です。スーパーボウルのCMも、この対策の一例として紹介されました。
出典:Amazon Science:2019年の開発者による説明
それでも、聞き間違いがゼロになるわけではない
一方、2020年に公開された独立した研究では、テレビ番組の音声を使って、呼びかけ語を言っていないのにスマートスピーカーが反応するケースを調べています。開発側が対策していることと、誤反応がなくなることは、同じではありません。
この研究は当時の機器と英語の番組などを対象にしたものです。今の日本の家庭で、同じ頻度で起きるという数字としては扱えません。
出典:Northeastern University・Mon(IoT)r研究グループ:2020年の実験
暮らしの中では、どう受け止める?
ここからは、このサイトの考察です。テレビを見ているときに突然反応しても、「自分が何か変な言い方をしたのかな」と、すぐに考える必要はありません。逆に、静かなままだから何も処理していない、と外から決めつけることもできません。
気になるときは、お使いの機器のマイク表示や履歴、プライバシー設定を確認する。詳しい操作は機種ごとの案内を見る。そのくらいの付き合い方が、現実的だと思います。
機械が黙っているときにも、聞き流すための技術が働いているかもしれない。そう考えると、いつものスピーカーが少し違って見えてきます。
今日の、ちょっとした発見
「聞き取る」だけでなく、「聞き流す」技術もある。
Amazonは2019年、CMの録音を音の特徴で見分ける工夫を公開しました。ただし、あらゆる誤反応を防げるという意味ではありません。
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