使う人・使わない人の本音

「便利だけど、今のままでいい」にも理由がある

音声操作を便利に感じる人も、今の道具で十分という人もいます。公開研究から、自分に合う使い方を考えます。

手帳とスマートスピーカーを前に、自分に合う使い方を考える女性のイラスト。
記事のテーマを表す概念イラストです。実在の研究参加者や体験を再現したものではありません。

音声アシスタントで、いろいろなことができる。それを聞いても、「私は今のままでいいかな」と感じることはありませんか。

それを、機械が苦手だから、新しいものが嫌いだから、と片付けるのは少し早いかもしれません。使わない理由の中にも、道具を選ぶヒントがあります。

同じ体験をしても、感想は一つではなかった

2021年に発表された米国ニューヨーク近郊の高齢者向け居住施設での研究では、それまで音声アシスタントを使ったことのない74〜91歳の18人が、支援を受けながらEchoを初めて体験しました。

研究で紹介された発言には、小さな画面で押し間違える心配が減り、文字を打つより声の方が扱いやすい、という感想がありました。一方で、予定は手帳、薬の管理はいつもの道具で間に合っており、新しい仕組みを増やす必要を感じない、という意見もありました。

これは研究参加者の発言の要約です。初めて体験した場面の小規模な研究であり、日本の高齢者全体や、長く使った後の評価を示すものではありません。

出典:Kim:初めて音声アシスタントを使う高齢者の体験を調べた研究(2021年)

続けて使う人は、どう付き合っていた?

別の2023年の研究では、地域の支援コミュニティや音声アシスタントの学習会につながり、Alexaを1年以上使い続けていた10人に話を聞いています。日々の習慣を助けたり、他の人との交流につなげたりする利用が報告されています。この研究は、利用をやめた人を含むものではありません。

初めて使う人と、すでに使い続けている人では、見える景色も違います。この研究も、誰もが同じ利益を得られると証明したものではありません。

出典:Upadhyayほか:高齢者の長期利用を調べた研究の概要(2023年、University of Maryland)

機能を全部使うより、困ることを一つ減らす

ここからは、このサイトの考察です。手帳で困っていないなら、手帳を捨てる必要はありません。音楽だけ、タイマーだけでも、本人にとって役立っているなら、使い方として十分でしょう。

反対に、リモコンを取る動作や小さな文字の入力が負担なら、そこだけ声に任せる価値があるかもしれません。大切なのは「何機能使ったか」より、「自分の面倒が一つ減ったか」です。

家族に紹介するときにも、「便利だから使って」より、「どの操作が面倒?」から話を始める。新しい機器を買う前に、今あるスマートフォンで試せることを探す。そんな順番を、このサイトでは大切にしたいと思います。

使うことも、今は使わないことも、本人が選べる。そのための情報があると、道具との付き合い方はもっと気楽になります。

関連案内:選び方を見る・サービス一覧

今日の、ちょっとした発見

機能を全部使うより、自分の面倒が一つ減ること。

公開された利用研究を手がかりに考えた、このサイトの見方です。使わない理由も、道具を選ぶ大切な情報になります。

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